大事なものは・・・すぐそばにある。

そして、壊れやすく・・・。

そこには、永遠の愛があるかもしれない。

そこには、永遠の友情があるかもしれない。

そして、確実に永遠の絆がある。

 

Endress Sorrow Act.6 突撃!ガスプラント!

 

「♪〜」

雛が軽やかにハミングしながら、携帯端末で遊んでいた。

「なぁ・・・俺の携帯端末・・・返してくれないか?」

しげるが、退屈そうに雛の方向を見ていた。

「だって、この小説みたいなゲーム、面白いんだもん♪」

雛は、楽しそうにデジタルノベルのゲームをしている。

「あ!裸のシーンに入った!」 雛が楽しそうに物語を読んでいた。

その隣で、しげるはギクッ!とした表情を見せる。

「しげ・・・雛にそんなもんをさせてたのか?」

ささらが鋭い目つきでしげるを見ていた・・・。

「兄さん・・・?まだ純粋無垢な子供にこんなものを・・・」

細流の目線がしげるに刺さる。

「まて!俺は無罪だ!!!!」

しげるが慌てて弁解した。

「そうだよ、しげ兄は無罪だよ。」

雛がしげるの弁護に入る。

「だって、貸してくれたとき何も言わなかったから。」

雛は携帯端末をしげるに返した。

「まぁ・・・この話は・・・終りにした方がいいですね。」

荷台で睡眠してた終虎が起きてきた。

「今度、雛には新しい携帯端末をあげるよ。」

しげるが雛に約束をする。

「やったぁ!!!」

雛は、喜んでいた。

 

「って・・・この町はなんだ!?」

運転していた、ささらが驚いた表情を見せる。

「確かに・・・変に統率が取れているし・・・。」

細流もこの町に疑問を持っていた。

「これって!!!!統一思考ガス!?」

しげるが驚いていた。 「統一思考ガス!?」

しげるを除く皆が叫んだ。

「そう、巨大な掲示板サイトで見たのだけど。どっかの町にはこのガスで洗脳してる町があるらしいのよ。」

しげるが言った。

「ってことは・・・ここはそのプラントで・・・そして、更に実用していると・・・。」

細流が言った。

ほかの皆も納得していた。

「こんなのって・・・人道に反してると思う・・・。」

ささらが、静かな怒りを覚えた。

「お前の言いたいことが、よくわかった・・・。」

しげるは、ささらが何をしたいか判って いた。

「ですね・・・。」

終虎も納得した。

「なぁ・・・あの巨大ガス発射装置って・・・この県境から見たら・・・効果半径およそ1kmぐらいか・・・」

「ですな・・・。」

しげると終虎が、何か相談をしていた。

「なぁ、自分の周り3mぐらいに風を起こして・・・なおかつプラントを爆破して帰ってくるまでの最低限力を残した時間ってどれくらい?」

しげるが細流に問いかける。

「そうですねぇ・・・大体20分ぐらいですか?」

細流が言う。

「よし・・・細流と終虎でプラントを暴走させて壊してくる。

そして・・・俺らは県境で暴れて守衛部隊の注意を引いておく。

そして、プラントを停止させたら残りを一気にたたくぞ。」 しげるが作戦を編み出す。皆もそれに同意する。

「まって!」

雛が口を挟んだ。

「ここの兵士って、全員ホムンクルスだよ、気をつけてね。並みの人間って思ったら死ぬよ。」

「わかった。」

ささらが、雛の頭をなでる。

「そしたら、いきますか。」

終虎が言う。

こうして、プラント壊滅作戦は決行された。

「そーれ!!!」

雛が少女とは思えない力で、廃車を門のほうへ投げ飛ばす。

「なんだ、貴様ら!」 守衛が銃を構えてきた。

「ここでドンパチは、困りますからね。」

守衛が銃を構えるより早く。終虎は両手のオートマチック式拳銃で相手の銃を狙い撃つ。

その速度はすばやく、そしてコンパクトにまとめられていた。

その後ろを、細流が抜けていく。

「貴様ら!!!追え!!!!追うんだ!!!」

兵が細流たちを追いかけようとすると。

「忘れてもらっては困るよー♪」

雛が地面に巨大ハンマーを撃ちつけ地面を隆起させ、兵を足止めする。

「うわぁ!地面が急に・・・。」

兵は揺れて隆起する地面に足を取られていた。

「隙有り・・・。」

ささらは刀を抜き、パニックになっている兵をどんどん切っていく。

「何者かが知らないが・・・轢き殺してやる!」

一人の兵が、装甲車でしげるに突撃してきた。

「何やってるんだよ・・・貴様。」

しげるは背中から棒を取り出すと、あっという間にビームサーベルを起動させ。車の側面に回りこむと同時に自分の側面を 横切る車を横真っ二つに切り裂いた。

切り裂いた車は、しげるの遥か後ろで爆発音と共に、燃えていた。

「細流と終虎の位置は?」

ささらが問う。

「後・・・数百mかな。」

しげるが、携帯端末で確認する。終虎の位置を常にGPSでスキャンしていたのだ。

「そしたら、大丈夫かな。何か巻き込まれていなきゃいいけど・・・?」

ささらがつぶやく。

「誰カナ?アタシの部下を殺してくれたのは。しかもアタシが外出しているほんの10分で・・・。」

目の前には、白いスカートで黒いキャミソールを着て黒い7分丈のスパッツをはいた16歳ぐらいの女の子が居た。

二つに束ねた金髪が、風でふわふわと揺れていた。

「あんたの部下か?」

しげるが少女につぶやいた。

「いや?直の部下じゃないけど・・・・アタシは傭兵だから。」

少女は笑った。

「あぁ・・・そしたら・・・。さっき俺たちが倒したのの親玉ってことか・・・。」

しげるが、本当のことを少女に伝えた。

「ってことは・・・貴方・・・私の部下を・・・許せない!」

彼女は、ペンダントを強く握り締めた。

すると、ペンダントから光の粒子が飛び出し光の粒は集まり槍に変わった。

そして、槍を握り締めてしげるに刃先を向けてきた。

「殺される前に、名前教えてよ。」

少女はしげるに問いかけた。その言い草は軽い挑発に見えた。

「悪いけど、僕はアンタに殺される筋合いはない。しげるって言う。あんたは?」

「雫・・・猫又雫よ。」

雫はしげるに向かって・・・。突撃してきた。

END

 

+あとがき+

え、実際の設定をくれた猫又氏って男性だったような・・・・。

え、気にしないでおくよ。ちゃんと槍って設定を反映させているし。

性格を文章に書く難しさと楽しさがやっとわかってきたような気がします。

次回はもっと長くなりそうな予感。

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